私が研修講師として、日々、時間を共有しているのは、
「営業の課題を何とか解決したい」
「もっと成果を上げたい」
「もっと仕事に喜びを感じたい」
「もっとお客様の役に立ちたい」
そんな思いを持って、営業活動に取り組んでいる営業マンの方々です。
「何かを変えたい」「営業のコツをつかみたい」
そんな人達の現状や課題を聞いていて、感じる事がある。
それは、大抵の営業マンが、
「人は自分の思った通りにしか動かない」
という、人の行動原則から外れた営業を行っているという事。
「一方的な説明や説得、過度なPRはしていません」
「お客様に、色々と質問を重ねているんです」
「それでも、お客様が余り応えてくれないんです」
「お客様が自分自身の事を、話してくれないんです」
「そのうちに、何か険悪な空気になることもあって・・・」
「何がいけないんでしょうか?」
こんな課題を抱えている方が凄く多いと感じている。
答えは明白。
「営業マンが売ろうとしている物」と、
「お客さんが手に入れたいもの」がズレているという事。
ズレテいるから、営業マン自身は質問しているつもりでいるが、
お客様は「売り込まれている」と感じている。
質問が形を変えた売り込みになっているから、
質問される度に、警戒心を強めていく。
結局のところ・・・
営業マンは「物(商品・サービス)」を売ろうとしている。
一方、お客様が欲しているのは「事(価値)」
「物」と「事」・・・似て非なり、全く違う物なんですね。
「人は自分の思った通りにしか動かない」という原則は、
表現を変えると「人は自らの欲求に従って動く」という事。
そして、その欲求には・・・
「目的欲求」と「手段欲求」という2つの欲求がある。
この違いがはっきり解れば、コミュニケーションの仕方、質問の順序は明確になる。
「商品を通してお役に立ちたい」という純粋な思いと、
「商品ありき」というのは、これも似て非なり。
お客様から見れば、単なる商品の売り込みと感じてしまう。
「商品」を完全に横において・・・
その人自身について、その人の仕事に対する思いや意欲、責任感。
現在に至るまでの様々なプロセスや思い。
将来に対する思いなど、しっかり共有する。
その上で、その人の課題や欲求を質問し、共感し、共有する。
そして、共に問題解決に向かう。
そこに、自社の商品・サービスが、
どう役に立つかを共有し、確信を深め合い、受注させて頂ける。
こういった「関係」を構築する事が出来る、
「過去~現在~未来」を共有するコミュニケーション法。
営業塾の受講生の皆さんには、
具体的な質問の言葉、共感表現の仕方をお伝えしていますよね。
繰り返し・繰り返し実践を重ね、
お客様により大きな安心感を与え、より深く信頼いて頂き、
そして、より長くお付き合いが出来る、
そんな最高のお客様を、数多く創っていきましょう。
by 吉良 洋